第一幕 「ばっちゃ」 – 幸楽鳥一家

第一幕 「ばっちゃ」

 

「もういいべさ!おどぉもおがぁもワダスの気持ちはわかんねぇべさ!」


「しずねぇ!おめは早く婿もろぉて土地さ継げばいぃんだべ!」


「あんた…そげにきつぅ言わんでも…」


「ワダスはやりたい事さ沢山ある!おどぉとおがぁの言いなりはやんだ!」


「こんっ!バガがぁ!」パシーン


「ワダスが言う事聞かねぇとすぐそうやってぶつべさ!だども絶対に引がねぇべ!ワダスはまだ婿はもらわねぇべ!」


「あんた…少しやり過ぎだべ…リリ美も落ち着…」


「しずねぇ!おがぁも敵じゃぁ!ワダスはもぅこんな家にいとぉない!」


「あぁっ…リリ美、待って…」


「ふんっ!ほっどけ!腹が減ったら帰ってくるべ!」

 

 


「どっこらしょ…ワダスがちくと話してくるけん。よかろ?リリ江さん?」


「お養母さん…おねげぇします…」


「はいはい、任せんさい。それと、リリ男っ!」


「な、なんね?ばっちゃ…」


「可愛い娘に手をあげるごた何事ね!あんま調子に乗ってごたるとカザンナデシコで二つに割るど!」


「わ、わかっだ…すまんて。」


「こんだらず!謝るのはリリ美にじゃろが!」


「ヒィ!わがった。リリ美が帰ったら謝るけん。ばっちゃ許してや」


「…わかりゃぁえぇ。みんな仲良くしないけんで。」

 

 

リリーパガール



「リリ美ちゃんや。こったな所におったんね」


「ばっちゃ…」


「とばっこばっちゃと話さんね?」


「うん…」


「リリ男じゃがな?ばっちゃがよ~く叱っだから、許しちゃり?」


「うん…」


「リリ美ちゃんが帰ったら謝るて言うでたから。」


「うん…ねぇ?ばっちゃ?ばっちゃもワダスがおかしいと思うとる?」


「ん~ゃ。リリ美が悪いちはわんつか思うとらんよ。ばっちゃはリリ美ちゃんの気持ちがよ~くわかるべ」

「ほんとけ?」

「うん、うん。実はなぁ?ばっちゃもリリ美ちゃんぐらいの歳の頃に今みだいに家を飛び出した事があってのぉ」

「えぇっ!?ばっちゃが!?なして!?」

「理由はリリ美ちゃんと変わらんでなぁ。17歳になっだらすぐに婿をとれ。土地を継げっちなぁ…」

「そうやったん…」

「じゃがなぁ?ばっちゃはその仕来りがイヤでイヤでなぁ?一族を向こうに回して大立ち回りをやってすまったんよ」

「えぇっ!?ばっちゃが!?」

「うん、うん。ほいで家を飛び出してしもうてなぁ?帰ったのはだいぶ後の事だったべさ。」

「ばっちゃ!その話もっと聞きとぉ!」

「ほぅかい?リリ美ちゃんの助けになるかも知れんちゃね。ちぃと長くなるかも知れんち聞いちゃんない。」







あん時は何も持たずに飛び出したちなぁ…

右も左もわがらんやったが、田舎から逃げだくて何も考えずに街に行ったっちゃ

見るもん全部が凄かったちゃなぁ

田舎とちごて砂が少のぉて嵐もわんつか無かったのお覚えとる

すばらく街を歩いちようと裏街に出てしもうちな

ばっちゃはそれもわからずにどんどんししゃまりよったんちゃ

ほいだら…近所のほら?ギルナスのジイサンがおるべ?
あのジイサンとそっぐしなギルナスがおってな?

ばっちゃは知り合いやち思うて駆け寄ったんちゃ

近くで見てもそっぐしでなぁ
んだども頭の横から何が見だこともない羽根みとぉなんが生えちょってな、ばっちゃはギルナスのジイサンが街に出るのにおめかしをしちょんのじゃ思うて


「ジイサマ?こがな場所で何しよっちゃ?」


てゆうたんよ?
ほんだらいきなり羽根みとぉなんが光り出して、ばっちゃは吹っ飛ばされてしもうたんよ


「えぇっ!?いぎなし吹っ飛ばされたん!?」


ほぅや。何が何かわからんでなぁ?
ただわかったんはこのギルナスはばっちゃの知っとるギルナスのジイサンとは全然違うち事だけじゃった

おっかねぐて、ばっちゃは吹っ飛ばされた場所で震えちょったんよ

どんどんギルナスが近づいできて、目の前で両の腕を振り上げた時に、ばっちゃはここできしゃまるんじゃなぁっち思うたよ

ごめんしてなぁ。おどぉもおがぁもごめんしてなぁ。っち…
喧嘩しだまま飛び出しち
仲直りも出来んままごめんしてなぁち…

ほんだら、いぎなしギルナスが後ろから真っ二つにされで爆発しちょったんよ


「わがった!それじっちゃがかっこよく助けにきたんだべ?!」



ほいじゃったら、じっちゃもかっこえぇんじゃがな

助けてくれたんは、一羽の綺麗な鳥じゃったよ


「鳥って…わがった!ラッピーだべ?」



ほぉじゃ。ラッピーじゃったが普通のラッピーとちごぉてな?

「ラッピーに種類があるべさ?」



そのラッピーは…人型じゃったんよ

「えぇっ?!ラッピーもワダスらみたいに人化するべさ!?」



ほぉじゃ。田舎に居たらずぅ~っとしゃねがった

そのラッピーはものすご強ぅてな
ギルナスを倒した後にばっちゃの手当てまでしてくれたんよ

そん時に色々とがだってなぁ

 

 



「あのぉ…助けてもろてありがどぉごぜぇます」

「いや、気にするな。リリーパ族の保護も私の仕事のうちだ」

「仕事…だすか?あぁっ!すんません!申し遅れますた、ワダスはリリ子ち言います。」

「これは私とした事が、私はラッピーガールだ!」

「ラッピーガールさんち言いますか。本当に助かりますた。死ぬかち思った」

「この辺りは機甲種でも侵食されて暴れてるのが少なくない…怪我をしないうちに住処へ帰るんだな」

「ワダス…その…住処を飛び出しちまっただ…」

「ふむ?訳ありか?良かったら話してみろ」

 

 

こう言っでくれてなぁ
ばっちゃが家を飛び出した事やら、考えてる事やら全部話したっちゃ
ほんだらラッピーガールさんはこう言ったっちゃ

 

 

「なるほど。リリ子くんの気持ちはわからないでもないな。
しかし、仕来たりや掟ってのは一族が絶対に守らねばならないものだ!
リリ子くんの先祖はその仕来たりや掟を守り抜いてきたから、今のキミがあるんじゃないのか?」

 


そがぁに言われてばっちゃは気が付いたべ
おがぁもそのまだおがぁも、仕来たりを守ってきだから、ワダスがいるんだってなぁ

 

「婿を取って土地を継ぐ…とても大変な事だ。なんせ家族を守るって事だからな。」

 

考えた事も無がった、ばっちゃは掟や仕来たりでいっとぉけぇずに決められてるのが嫌だったけんど、
ラッピーガールさんはその仕来たりや掟は守るべき者が居るっち事を教えてくれたんだべ


「ワダス…まだまだ子供だべ…」

「そうだな。自分の都合でしか物事を考えていないお子様だ(笑」

「あのっ…!お願いがありますだ!」

「ん?どうした、改まって?」

「ワダス…ラッピーガールさんの元で修行してぇ!立派な大人になって家族を…掟を守りてぇ!」

「えぇ?困ったな…私も未だ修行中の身なんだが…」



ばっちゃの申し出に困ってるラッピーガールさんの向こうから話しかけてきた方がおってな



「いいじゃないですか?義理の妹って事で」

「フーリエ?そっちの保護は終わったのか?」

「えぇ、問題ありませんでした。それと申し訳ありませんが、少し話も聞かせて貰いました」

「簡単に言うけどな…手続きやら何やらあるんだぞ?」

「それじゃぁ手続きは私がやりますよ?
それに私だったら、こんなに可愛いリリーパ族の子に慕われたら絶対に保護します!」

「いや、それだけじゃな…」

「それとも、保護を求めるリリーパ族をほおっておくつもりですか?
ラッピーガールさんはそんなに薄情な方なんですか?」

「あぁっ!もうっ!わかった!わかりました!」

「良かったねリリーパちゃん♪ラッピーガールさんがお姉さんになってくれるって」

「あっ、ありがとうごぜぇます!
だども…お姉さんじゃ申し訳ねぇ…
一歩引いて、姐さん…姐さんと呼ばせてもらいますだ!」

「好きにしろぉ~!」






こうして、ばっちゃは姐さんの元で修行をする事になったんだべ
一緒に居たフーリエさんが良ぐしてくれてなぁ
ばっちゃのいた集落に連絡さ入れて、一族全部説得してぐれてなぁ
一人前の大人になるまで、二人がかりでばっちゃの面倒をみでくれたんだべ





そうやったんね…

ねぇねぇ?ばっちゃ?その修行の話も聞きたいべさ!



そうかい、そうかい。じゃったら、家に帰ってご飯食べてお風呂に入りながら話の続きでもしようかねぇ。


ほんとね!?ばっちゃありがとぉ!

 

 

 

 

 

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ラッピーガール

幸楽鳥一家の絶対権力者
義理と人情に篤く、常に全力疾走
方言効果もあり、口の悪さが超一級品
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