男とは弱きもの

 

 

「きゃははっ、きゃっきゃ♪」

うん、父上殿よ、もうよかろ?

あ、まだやるみたいじゃな。

はいはい、わかったわかった。

「きゃははははっ♪」

はぁ・・・。

いやなに、ワシとて立場というものくらい弁えておる。

今のワシは何故だか所謂赤子という保護されなければ生きられない脆弱な立場にある。

故にこうして笑っておる。

愛嬌を振りまき愛着を持って貰わねばならんからな。

しかし、じゃな。

何事にも限度というものがあると思うのだ。

その上で問おう。

これで何度目だ?

いやいやいや、聞きなさい。

やめろ、顔を手で覆うでない。

今すぐやめなさい、これは警告である。

繰り返す、これは警kあーぁ言っちゃった。

ばぁって言っちゃった。

「きゃーはははは♪」

あーぁ・・・。

さすがのワシも知らなんだわ。

本来喜びを表す行為であるはずの笑いがここまで苦痛を伴うものになるとはな。

確かに、本当の赤子であれば何も無い所から顔が出てくるという不思議な状況に

驚きと共に笑ってしまうであろうことは想像できる。

しかし・・・。

残念ながらワシ、本当の赤子じゃないんじゃよ。

ばぁ!とか言われても不思議でもなんでもないんじゃよ・・・。

だから、な?

もうそろそろ、な?

いい加減に、な?

でないと如何に温厚なワシとて考えねばならん。

この拷問にも似た状況から抜け出すためには手段を選ぶつもりはない。

故に父上殿、今一度考えを改められよ。

ふぅ・・・。

そうか、それが父上殿の選択か・・・。

ならば致し方あるまい。

今のワシに出来る最大にして最強の技・・・

それは・・・

泣く!

ほーれほれ、目に涙を溜めて充電開始だ!

どうした、父上殿!

今更慌ててももはや手遅れ!

くらえい!

Baby’s scream!

「おぎゃぁ!おぎゃぁ!おぎゃぁ!」

ふぁーははは!

破滅の足音が聞こえるだろう!

我の警告を無視し続けた報いをその身を持って知るが良い!

そぅら、母上殿の登場だ!

「あんたぁ!何やってんのぉ!!」

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ひとがた
ひとがた

甘ったるいカフェオレが大好き。
基本的に役立たずで扱いが難しい。
怒らせると怖いらしい、ともっぱらの噂。

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